よく似た表記で意味も似ている鍵と錠の違いについて

key_lock「鍵をかける」という言葉はよく使います。ただ正確には「鍵を使って錠をかける」と使われるそうです。現代では鍵と錠の違いはピンとこないかもしれません。

それでは思い切って江戸時代へタイムスリップしてみましょう。大通りに面して大店が軒を連ねているところへ来ました。どの家庭でも鍵は大事ですが、お店となると特に大事なものとなります。この時代のお店ではどのような鍵を使って防犯をしているのでしょうか。

ある一軒の大店の裏口の方へまわってみました。ここでは引き戸に内側からつっかえ棒をして鍵の代わりとしています。これは外からは開けることができないため必ず内側に人がいないと開けることができません。防犯には良いですが少々不便です。今回は丁稚さんに頼んで開けてもらいました。なぜ丁稚さんに開けてもらえるのか?それは取材ですと予めアポイントメントをとっていたからです。このへんは私は抜かりありません。

裏口から入って奥へいくと大きな倉があります。ここがいわゆる金庫です。お金や大事なもの、お店なので品物の数々を保管しています。ここの鍵はというと、先ほどのような内側からのつっかえ棒では防犯には良いですが外から開けることができないため、入れたのは良いけれど出すことができないということで意味がありません。そこで扉に近づいてよく見てみます。すると扉の取っ手の部分に閂錠がかかっています。ここの扉を開けるにはこの閂錠を開けないとだめなようです。側にいる丁稚さんに開けてくださいとお願いしましたが、鍵は常にお店の旦那様が持ち歩いているので無理ですと断られました。

おわかりでしょうか。この閂錠が「錠」で、その閂錠を開けるためのものが「鍵」ということです。現代ではこの「錠」は簡単に説明するなら「シリンダー」のことです。ですが「シリンダーをかける」とは言いません。そこから「鍵をかける」になったのではないかと推測してみました。